夜空に降る光、流れ星が消える前に願い事を3回言うと叶う…ロマンチックな言い伝えですが、流れ星を見る機会なんてそうそうありませんよね。
でも、流れ星が流れる事が事前に分かってしまうのが流星群です。
流星群で願いが叶うのかはさておき、流れ星や流星群が出来る原理ってご存知ですか?
「え?隕石みたいな星が落ちてきてるんじゃないの?」って私は思ってましたが、全然違いました(汗)
そこで今回は
・流れ星と彗星は違うの?
・流星群が出来る仕組みは?
・流星群観測で使う輻射点とか放射点とか母天体って何?
・「○○座流星群」は、なぜ「○○座」なの?
について、子どもにも分かるように簡単に解説していきたいと思います。
この記事を読んで流星群に関する知識を簡単に覚えたら、是非とも実際に流星群観測に行ってドヤ顔して下さいね(笑)
出典:© NAOJ
流れ星と彗星は違うの?
流れ星も彗星も、我々から見れば空を移動している光という点では同じに見えますよね。
しかも両方共「星」がついてます。
ですが結論から言うと、流れ星と彗星は全くの別物です。
ちなみにですが、流れ星が短時間のうちにたくさん流れるのが流星群ですので、流れ星と流星群は同じという認識で大丈夫ですよ。
流れ星とは?
流れ星の元になっているのは流星物質と言われる小天体です。
小天体には、0.1mm以下のごく小さな宇宙空間のチリのような粒子もあれば、数cm以上ある小石のようなものまであります。
それらの流星物質は太陽の周りを公転しているのですが、同じように太陽の周りを公転している地球の軌道と重なると、地球の大気圏に突入してきます。
速いものでは秒速数十kmとも言われていますが、さらに地球の自転速度(秒速約30km)も加算されて凄いスピードになっているのです。
なぜチリや小石が光るの?
気体は圧縮、つまり圧力がかかると熱を発する性質があり、この現象を断熱圧縮といいます。
断熱圧縮された小天体がプラズマ化して発光して流れ星になる訳ですね。
通常は地上150~100㎞で光り始め、70km~50kmで消滅するのですが、元々大きい小天体だと燃え尽きずに隕石として地上に落ちてくるものもあります。
他にも火球と言って、満月より明るく光るものもありますよ。
彗星とは?
誰もが知っている有名な彗星としては、約76年に1度地球に接近するハレー彗星がありますよね。
大きな尾を引く姿はロマンをかき立てられますが、彗星って何で尾を引いて飛んでいるんでしょう?
彗星の元は氷や岩石でできた小惑星なのですが、太陽に近付いてくると熱で彗星の表面が蒸発し、ガスや塵を発生させます。
そのガスやチリが、大気のように彗星の周りを覆うのです。
そしてさらに太陽からの放射圧と太陽風の影響を受け、大気状のモヤ(コマ)が吹き飛ばされて太陽の反対側に伸びていきます。
これが彗星の尾になるんですね。
つまり、流れ星と彗星は同じように空を移動する光ですが、流れ星は地球で起きている現象で、彗星は宇宙空間を移動している星であるという、そもそも根本的に大きな違いがあるのですね。
知りませんでした(汗)
流星群が出来る仕組みは?
小天体が地球に飛んできたのが流れ星。
その流れ星がたくさん見えるのが流星群。
宇宙を飛んでる惑星が彗星。
ここまでは分かりました。
では何故、一度にたくさんの流れ星が出現する流星群が出来るのでしょう?
そこで大きく影響しているのが、宇宙を飛んでる彗星なんです!
彗星が残したダストトレイル
彗星はそれぞれの周期と軌道で、尾を引きながら太陽の周りを回っています。
その時にチリを撒き散らしながら周回しているんですね。
彗星は移動しても、チリは宇宙空間に帯状になって漂い続けます。
この帯状のチリをダストトレイル、ダストチューブと言います。
公転周期が短い彗星だと短期間の内にたくさんのチリを残していきますから、ダストトレイルも短期間でどんどん太くなっていきます。
地球とダストトレイル
出典:© NAOJ
そして地球も太陽の周りを公転していますから、上図のように軌道が合えば彗星が残したダストトレイルの中に地球が入る事もあります。
これを地上から見たのが流星群です。
流星群観測で使う輻射点とか放射点とか母天体って何?
出典:ウィキメディア・コモンズ (Wikimedia Commons)
流星群観測をする時に、「放射点の方角は…」と言った解説しているのを見たことありますよね?
場合によっては「輻射点」と表記されていたりしますが、放射点も輻射点も意味は同じです。
地上から流星群を見ていると、広い空のある1つのポイントから四方八方に放射状に飛び出すように見えるんですね。
上の画像の白い○がまさにそうで、流星群が放射状に飛び出す元の点を放射点、輻射点と言います。
母天体とは?
流星群の元になっているチリは、元々彗星が残していったダストトレイルです。
そのダストトレイルを残して行った、いわばチリを生み落とした母なる天体を母天体と言います。
ふたご座流星群の母天体は「ファエトン」という小惑星なのですが、他の流星群の母天体はほとんど彗星なので「母彗星」と言われたりもします。
そして彗星の軌道と、地球の公転軌道で交わるポイントは一ヶ所に限らないため、2つの流星群が同じ母天体だったりする事もあります。
「○○座流星群」は、なぜ「○○座」なの?
出典:来夢来人
肉眼でたくさん観測出来る有名な流星群では、しぶんぎ座流星群、ペルセウス座流星群、ふたご座流星群が挙げられますね。
では、なぜ流星群に星座の名前が付いているのでしょう?
もったいぶらずに答えを言うと、その星座の近くに放射点がある流星群だからです。
つまり、しぶんぎ座流星群の放射点はしぶんぎ座の近くだし、ペルセウス座流星群の放射点はペルセウス座の近く、という事になりますね。
もしも横浜座という星座があって流星群の放射点が近かったら、横浜流星群というのもアリですよね(笑)
ちなみにですが放射点が水平線や地平線よりも下の低い場所にあって、なおかつ流星を観測可能な条件だった場合、流星が下から上に飛ぶシーンを観測する事も理論上は可能です。
ちょっと見てみたい気がしますよね。
まとめ
・流れ星がたくさんあるのが流星群だが彗星とは別物
・彗星が残していったダストトレイルに地球が入ると流星群が見れる
・流星が飛び出してくるのが放射点、放射点近くの星座の名前をとって「○○座流星群」と呼ぶ
ちなみに昼間や曇り空の時でも、我々には見えないだけで流星群は活動しています。
さらには電波のみに反応する流星群もあるようですよ。
2019年もいくつかの流星群が期待されてますので、詳細は以下をご覧になって下さいね。
天候に恵まれて、たくさんの流れ星が見れるといいですね。
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