出典:ゲキサカ
FIFA U-20ワールドカップポーランド2019の日本代表メンバーが発表されましたが、招集メンバーについては賛否両論なのが実情ですよね。
外国のスポーツ記者に聞いても「今回の人選はありえない!」という声が多数聞こえてきました。
<UAE>
・大きなミスだ!久保、安倍、大迫はU20代表に入れるべきだ<ドイツのガンバ大阪サポ>
・谷が負傷しているのを忘れていたよ<スペイン>
・日本には高身長の選手が必要だ18歳のセンターバックは192センチ、16歳のキーパーは187センチだねイタリア>
・安部、久保、大迫、橋岡以外は順当なメンバーだ<ドイツの浦和レッズサポ>
・ワオ、鈴木彩艶が選ばれて、うちの第3GKの石井僚(巨人)が外れた?
そんな中、U-20ポーランド大会では日本代表GKとして参加し、背番号1を背負っている若原智哉選手。
表面だけ見れば「やっとチャンスが回ってきたから頑張ってね」としか思われないですが、ここに至るまでの若原選手の苦悩と葛藤を知ると、心から応援したくなるエピソードがありました。
U-20 ポーランド大会日本代表の守護神、若原智哉選手の経歴やプロフィールは?
彼がここにくるまでのエピソードとは、一体何があったのでしょうか?
では早速参りましょう!
若原智哉選手のプロフィール
出典:京都サンガHP
出身地 滋賀県草津市
生年月日 1999年12月28日
身長/体重 185㎝/80kg
血液型 A型
利き足 右
スパイク ナイキ ファントムヴェノム
ポジション GK
背番号 1
所属チーム 京都サンガF.C.
一般人からすると185cmもあると「大きいな~」と感じますが、今大会の3人のGKの中では一番低い身長です。
とは言え若原智哉選手には「ボールに対する反応の速さと機敏な動き」という最大の武器がありますから、プレイを見れば身長のことなど誰も感じなくなるでしょう。
若原智哉選手のサッカー選手としての経歴
出典:J’s GOAL
草津市立矢倉小学校 矢倉FC
草津市立高穂中学校 京都サンガF.C.U-15
立命館宇治高校 京都サンガF.C.U-18
2016年~2017年 京都サンガF.C.(2種登録選手)
2018年~ 京都サンガF.C.(プロ)
若原智哉選手は京都サンガ一筋なんですね。
若原智也選手にはお兄さんがいるのですが、滋賀県に引っ越してきたのはお兄さんが小学校1年生の時だったそうです。
そのお兄さんがサッカーをしたことがキッカケで、若原智也選手もサッカーを始めたのだそうです。
兄弟姉妹あるあるですよね。
若原智也選手がプロ入りした時、クラブチームを通じてこんな話をしていました。
「ひとつの夢であるトップチームに昇格することができ、とても嬉しいです」と喜びを明かした。実兄は京都U-18出身の立命館大GK若原大志。「サッカーに出会わせてくれて、いつも僕の目の前を歩き続けてくれたお兄ちゃんがいてくれたからこそ、プロの道を歩み始められると思います。トップチーム昇格は通過点にしかありません。後ろから安心感を与えられるゴールキーパーを目指して、目標である兄を超えるため、これからも努力を重ねていきたいと思います」
出典:ゲキサカ
今大会で活躍したら、お兄さんも嬉しいでしょうね。
ぜひそうなって欲しいものです。
若原智也選手の日本代表歴
U-15日本代表(2014年)
バル・ド・マルヌ U-16国際親善トーナメントU-16日本代表(2015年)
平和祈念広島国際ユースサッカーU-17日本代表(2016年)
国際ユースサッカーin新潟U-18日本代表
コパ・デル・アトランティコ(2017年)
U-18リスボン国際トーナメント(2017年)
SBSカップ 国際ユースサッカー(2017年)U-19フォーネイションズ(2017年)
AFC U-19選手権・予選(2017年)U-19日本代表
SBSカップ 国際ユースサッカー(2016年)
AFC U-19選手権(2016年、2018年)
インドネシア遠征(2018年)
ロシア遠征(2018年)
メキシコ遠征(2018年)U-20日本代表
千葉トレーニングキャンプ(2019年)
FIFA U-20ワールドカップ(2019年)出典:Wikipedia
やはり国際経験量が凄いですね。
とは言え、これほどまでの国際経験を積んだ若原智哉選手でさえ、スムーズに代表入りして簡単に正GKの座を取れたのか?と聞かれたら答えは「NO!」です。
時にあどけなさを感じさせる若者が、決して表には見せなかったエピソードとはなんでしょうか。
若原智哉選手の秘められたエピソードとは?
出典:NumberWeb
若原智也選手には、共に1999年産まれで同い年の大迫敬介選手(サンフレッチェ広島)というライバルがいます。(写真真中)
2016年に行われたAFC U-19選手権には招集されはしたものの、出番は無かった若原選手。
それから2年後の2018年に行われたAFC U-19選手権、若原智哉選手と大迫敬介選手(サコ)は二人共代表に招集されました。
「やっぱりサコの存在は凄く大きいですし、一緒に代表合宿をしていろいろ得られるものがあった。さらにガンバの谷なども入ってきているので、その中でも1番手をとることは非常に難しくなっていると感じます。でも、自分ならできると思っているので、1日1日をしっかりと吸収して、時にはリーダーシップをとってU-19でも存在感を出したいと思います」
出典:NumberWeb
共に切磋琢磨し合う仲間でありながら、常にバチバチのライバルだった大迫選手は常に気になる存在だったでしょうね。
ところがその大会、初戦である北朝鮮戦のピッチに立っていたのは若原選手でもなければ大迫選手でもなく、2000年産まれで1歳下の、谷晃生選手(G大阪)でした。(写真左)
「直前キャンプまでは3人ともバチバチのライバル関係でやっていました。僕自身もレギュラーを取るために、自分の持ち味を直前キャンプまでずっと出し続けてアピールしてきた。でも初戦に晃生が出るということ(第1GKは谷ということ)が決まってからは、僕とサコの役割がはっきりした。
それ(第1GKのサポート)をしっかりとやり通すというか、晃生をいかにいい状態で試合に送り出すかが自分達の役割だと思っているので、そこはすぐに切り替えました」
出典:NumberWeb
若い頃ってどうしても「自分が!自分が!」というアピールをしたくなるものですが、それでもこうしてすぐに気持ちを切り替えて、谷選手のサポートに全力を尽くすことに注力する潔さは本当に素晴らしいと思います。
そして若原選手は、北朝鮮戦とタイ戦共に精一杯、谷選手をサポートしたそうです。
こういう気持ちの選手にこそ、チャンスの神様に恵まれて欲しい!って思いますよね?
ところが第3戦の対イラク戦、ピッチに立っていたのは大迫選手でした。
勝負の世界、ましてや日の丸を背負っているのですから仕方ないとは思いますが、思わず「むごい!」と言いたくなりますよね。
通常であれば誰とも話なんてしたくないでしょうけれど、若原選手は冷静にインタビューに答えたそうです。
「もちろん、ホテルの部屋などで1人になると、いろいろ考えてしまう時もありますよ。前回大会は第3GKで、今回も2年前とまた同じような状況になってしまったわけですから。
J2で試合に出て、自分では大きく成長したなと思うこともあったのですが、これが現状なんですよね……。もしかすると、この2年間で自分は全然成長できていないんじゃないかと思ってしまったりもします。『俺は何のためにやってきたんやろ?』とかずっと考えてしまうこともありました」
出典:NumberWeb
これが正直な気持ちだと思います。
努力しても努力しても結果として目に見えない。
ましてやライバルはどんどん先に行っているのに自分だけ…心が折れてしまっても全然おかしくないと思います。
それでも、そんな状況でも若原選手は前を向くことをやめませんでした。
「ここで僕が腐ったら終わりやと思ってるんで。ここで一緒に戦うメンバーにそういった暗い顔を見せてしまうと、チームの雰囲気も悪くなってしまう。だから、そこは絶対に前向きにいきたい。
今はチームのために、そして、晃生とサコの3人でチームをガンガン盛り立てていきたいんです。
出典:NumberWeb
「サコも晃生も本当にいいライバルで、いい刺激を与えてくれる存在であることには変わりはありません。それに『お前は今のままではダメやぞ』ということをはっきりと分からせてもらったわけですから。
こういう気持ちを味わった人間ほど、この後、本当に大きく成長していくのだと信じています。そう分からせてもらった2人には心から感謝してる。ただ、まだまだ大会は続くし、準々決勝に勝てば、1年後の世界も見えてくるので。
これからも『次は俺が出る』という強い気持ちを持ち続けて、準々決勝以降は誰が出ても絶対に勝てるように、ポジティブに振る舞っていきたいですね。そして、みんなでU-20W杯を掴み獲りたいで
す」
出典:NumberWeb
若原選手は元々、物凄い負けず嫌いです。
その負けず嫌いが味わった、悔しさというとてつもない量のエネルギーを前進するための推進力に変えた…そう言えば聞こえは良いですが、ここまでの苦悩を思うと一言で表現しては申し訳なく思えてきます。
ポーランド大会では、ぜひともこれまでの思いをぶちまけて欲しいですね。
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U-20ワールドカップポーランド2019日本代表メンバーと試合日程
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まとめ
どんなに理不尽だと感じる出来事にも、必ず良い面(ポジティブ)と悪い面(ネガティブ)があります。
人は「被害者になると優遇される」という事を人生経験の中で無意識に覚えていますから、ネガティブな側面だけにフォーカスして被害者顔をしたくなる生き物です。
ですが若原智也選手は違いました。
仮に一時的にネガティブになったとしても、ポジティブな側面を見出して自分に出来る事を見つけて実行する!
これって文字で書くと簡単そうですが、感情がともなっている時には中々出来ないものです。
それを周囲を気にかけて明るくやってのける若原智哉選手を見ていると、京都サンガサポーターでなくても応援したくなりますよね。
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